[特集:デジタル関連法案⑦] 自分の情報を開示請求するのにお金が取られるようになる?

 
 自治体の個人情報保護条例は、自分の情報の開示請求にするにあたって手数料はかからず無料です。文書が開示された場合に、コピー作成のための実費を支払う必要があるだけなので、紙のコピーだと1枚10円だったりとあくまでも実費です。

 これに対し、行政機関個人情報保護法は開示請求をするために300円の手数料を徴収しています。ポイントは「行政文書一件につき」300円徴収されるということです。この「行政文書一件」とは、一つの行政文書ファイルの中にまとめられているか、相互に密接に関連する複数の行政文書を指します。

 「相互に密接に関連する」という範囲は、同様の規定のある情報公開法の例だと行政機関ごとに相当にばらつきがあります。年度が異なれば別請求とされたり、同じ関連のものでも課室や係が異なれば別請求とされたり、保管しているファイルが異なると別請求とされたりといろいろで、思いのほか手数料がかかってしまう。場合によっては、手数料が高額過ぎて開示請求を部分的に断念せざるを得ない場合も出てきます。

 改正個人情報保護法案では、行政機関個人情報保護法の開示請求手数料の徴収規定を自治体にも適用することとしています。このままだと、改正個人情報保護法案が成立し、施行されると開示請求するだけで手数料が徴収されることになってしまいそうです。国と標準化されたばかりに開示請求にお金がかかるようになることになる。デジタル化は、お金を住民に請求する仕組みにするってことなのか…(文責:三木由希子)

 


 

情報公開クリアリングハウスを支援する

  寄付をする   会員になる

 
 

Print Friendly, PDF & Email