Home » News

森友学園国有地売却交渉記録の不存在決定取消で提訴、証拠保全申立てをしました

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinFacebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedin

 2017年5月19日、情報公開クリアリングハウスによる森友学園への国有地売却に関する交渉記録の情報公開請求に対し、近畿財務局、財務省本省、大阪航空局が不存在と決定したことの処分の取り消しを求める情報公開訴訟を提起しました。

 同時に、システム上残っているバックアップデータ、パソコンの証拠保全申し立ても行いました。

 森友学園国有売却交渉経緯文書不存在決定取消・国家賠償請求・証拠保全申立てを提起 


なぜ森友学園問題に取り組んだのか

 財務省が交渉記録を廃棄したと国会で答弁したのが2月24日。これを受けて、2月27日に近畿財務局と大阪航空局、3月2日に財務省本省に交渉記録の情報公開請求を行いました。理由は2点です。1点目は、交渉記録を廃棄したので経緯説明はしない、という趣旨の答弁に聞こえたということです。仮に記録を廃棄しているのであれば、当時の担当者に聞き取りを行い調査結果として明らかにすればよいのに、その確認すらせず廃棄をしたとして説明に応じない状況は、記録があってもないと言いかねない状況であるということです。

 2点目は、財務省は「森友学園の交渉記録だから1年未満なので廃棄した」と答弁しているのではなく、国有地売却に関する交渉記録は1年未満保存文書で契約完了後に廃棄するので妥当と答弁していることになります。森友学園の問題ではなく、国有地売却一般の問題として、財務省行政文書管理規則上、1年未満であると答弁しており、それが問題だという認識もなく、政権もそれを容認しているということです。

 これらを放置すると、行政文書は廃棄したもの勝ち、それを合法的に行うために公文書管理法を解釈するということになる、と考えて情報公開請求をし、不存在決定となることは織り込んで、情報公開訴訟をするつもりで取り組みに着手しました。3月末と4月初めに予想通りの不存在決定が出され、訴訟準備を始め提訴に至りました。


不存在決定の取消と証拠保全申し立て

 情報公開訴訟としては、不存在決定の取消を求めるオーソドックスな訴訟ですが、並行して書庫保全の申し立てを行ったというのが、この訴訟の特徴です。

 財務省本省の行政LANシステムが6月に更改されることになっており、システムの更新と機器の入れ替えが行われる予定になっています。機器の入れ替えを行うと、古い機器の中にあるデータは復元できないように消去する作業が行われることになり、新システムに移行されないバックアップデータやログデータなどが消滅します。ここに交渉記録が残っていた場合は、消去とともに記録も失われ、不存在決定処分を争う訴訟で証拠調べをする対象がなくなることになります。

 そこで、バックアップデータと機器を証拠として保全を申し立てるととともに、当時の故障担当者のパソコンにデータが保存され消去されている場合は、パソコンからデータの復元をする必要があるため、パソコンも証拠として保全を申し立てました。

 訴訟としては不存在決定の取消を求める者なので、証拠保全の申し立ては主ではなくそれにともなものです。一面、このデータ等の保全が認められるか否かは、不存在を争う手掛かりとして重要です。6月1日に財務省はシステム更改をする予定とのことですので、それまでに裁判所が一定の判断をすることになります。


意義は何か

 デジタル時代の行政文書不存在を考え検討する上で、このケースは重要であると考えています。今や、パソコンで文書は作られ、一時的にせよ必ずどこかにデータが保存されます。一度保存されると、容易にそれを完全に消去できないという特徴もあります。

 文書廃棄は訴訟でもなかなか難しいのですが、保有しているべき文書を廃棄している場合は、行政機関の業務遂行上は必要な文書がないということになります。廃棄したからありませんで話が終わるのではなく、保有しているべきものはデータを復元せよということが言えると、請求者側にとっては大きな一歩となります。廃棄したもの勝ちという事態を避けるためにも、証拠保全によってバックアップデータやパソコンの証拠としての保全を目指します。

 加えて、システム上存在する文書は、複数のシステム間で連携をしていたり、あるいは紙文書のように全体を視覚的に把握をしたうえで必要な証拠が保全されるのとは異なり、どこまでが保全の対象かを視覚的に把握しにくいという問題があります。どのように保全をするのかということの難しさが、デジタル情報にはあるということのようです。そういう意味で今回の申し立ては、新たな試みとして挑戦することにしました。



ご支援ください
 情報公開クリアリングハウスは、独立した自由な活動を行うため、特定の団体・組織からの継続的な支援・援助等を受けず、皆さまからの会費、寄付にを基本に運営をしています。情報公開クリアリングハウスの取り組んでいる活動は社会にとって必要だと思う皆さん。ぜひ、ご支援ください。
 寄付をする http://clearing-house.org/?page_id=1056
 会員になる http://clearing-house.org/?page_id=1052

Print Friendly, PDF & Email
rssrss