[ブログ] LINEに本人開示を求めたいと問い合わせしたら…

 
 厚労省とLINE社が協定を締結して、新型コロナ対策での全国調査などを行っています。回答すると各都道府県の公式アカウントの案内があり、そこから詳細質問への回答を促されるという流れになっています。

 全国調査も各都道府県アカウントや調査はもちろん任意なのですが、全体としてLINE社側がどういう情報管理や利用をしているのか、スキームがわかりにくい上、LINE社の出しているプライバシーポリシーや個人情報保護方針で容易に見つけられるものは、保有個人情報の利用目的がかなり広範。各調査は回答時に利用目的が示され回答者は同意をしたことになるわけですが、この目的も結構漠然としています。

 そこで、あえて全国調査に回答して、その結果がどのような形で、どのような情報と社内で連携可能な状態で保存されているのかなどを確認しようと、個人情報保護法で認められている本人開示請求をしようとしたところ、プライバシーポリシーにも個人情報保護方針にも、具体的な方法が書かれていないし、方法がどうしても見つけられなかった。そこで問い合わせフォームで問い合わせるしかなさそうということで、方法を確認したところ質問で返ってきました。

 LINEからの質問内容は、

 ①本人開示請求を行いたいサービス名
 ②お困りの状況の回答
 ③問題が発生している画面全体のキャプチャをお送りください

というもので、「ご返信の内容をもとに調査を進めさせていただきます」とのこと。

 単に、問い合わせを受け付けて処理しているお客様対応担当が理解できていないだけかもしれませんが、そもそも、プライバシーポリシーなどがサービスごとに利用目的を特定するなどしていないし、保有個人情報の管理がサービスごとになっているともなっていないので、どういう特定を本人開示を受けるにあたってこれまで行ってきたのか、ちょっと理解ができなところです。

 お問い合わせフォームが、もともと困ったやトラブルが発生した場合に使われるものではあると思うので、最初の一次処理レベルでのレスポンスとして理解できないわけではないのですが、本人開示を求める問い合わせがある場合は、「クレーマー」的な扱いをいつもしているのかもとも思える反応で、ちょっと笑った。

 プライバシーポリシーなどすぐに確認できるところに本人開示の求めをする方法や手順を明確にしていれば、そもそもこんな問い合わせはしないで済むわけです。個人情報保護法も公表事項の中に本人開示等を求める方法を含めている。相当探したけど、方法の教示が見つけられないので、諦めて問い合わせをしたのですがまったく話が進まない。LINEに開示請求をする人がこれまでいなかったということではないと思うので、無事開示請求までたどり着けた人がいるのだろうかと疑問に思ってしまう。

 なお、LINEから質問のあった、②お困りの状況の回答、③問題が発生している画面全体のキャプチャをお送りください、の2点に関しては、探しても本人開示を求める方法が見つからないことに困ってます、とお答えしておきました。(三木由希子)