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イラク戦争検証報告書情報公開訴訟

 
 2003年3月に始まったイラク戦争は、イラクが大量破壊兵器を保有していることを主な根拠に始まりましたが、フセイン政権崩壊後にイラク国内を探索しても大量破壊兵器が見つからず、正当性に欠く戦争であったことがわかりました。日本は、イラク戦争を積極的に支持し、戦後の復興支援のため、イラク特別措置法により自衛隊を派遣しました。

 この当時の日本政府の判断は妥当であったのかについては、今後の外交・安全保障上の判断を間違わないためにも検証を求める声もあり、2011年に外務大臣が検証を表明、2012年12月にイラク戦争の妥当性ではなく、当時の外務省の対応が適切であったかについての検証結果が取りまとめられました。しかし、この報告書は非公開とされ、簡単な概要のみ公表されました。この非公開の報告書などを情報公開請求したところ、不開示となったため、2015年7月に情報公開訴訟を提起しました。

 なお、アメリカとオーストラリアではインテリジェンス機関による情報収集の失敗を、オランダはイラク戦争の法的問題を検証し、イギリスは政策判断過程を含むイラク撤兵までの包括的な検証を行い、その報告書を公表しています。外務省作成の報告書は本文が17ページですが、各国の報告書は数百ページないしそれ以上のものです。

 

2015年1月12日 外務省にイラク戦争検証報告書などを情報公開請求
2015年2月12日 外務省が一部開示決定(報告書は全部不開示)
2015年4月17日 外務省 一部開示決定の内容に誤りがあったことから決定をやり直して通知
2015年7月16日 イラク戦争検証報告書と検証時のヒアリンぐ記録など全部不開示決定の取消しを求めて東京地裁に提訴
 提訴時のプレスリリース
2015年10月20日 第1回口頭弁論
2015年12月15日 第2回口頭弁論
2016年3月30日 外務省 報告書等の全部不開示を決定変更し、一部開示決定(報告書の小見出し等を開示)
2016年4月19日 第3回口頭弁論
2016年7月13日 第4回口頭弁論
2016年9月30日 外務省 一部開示範囲を拡大する決定(報告書の3分の1くらいを開示)
2016年10月19日 第5回口頭弁論
2016年12月21日 第6回口頭弁論
2017年3月14日 第7回口頭弁論
2017年3月17日 原告として訴えの変更申立て。一部の文書を訴訟の対象から除外
2017年6月13日 第8回口頭弁論
2017年9月5日 第9回口頭弁論
2017年12月2日 第10回口頭弁論
2018年1月12日 原告として2回目の訴えの変更申立て。訴訟の対象を検証報告書に絞る
2018年2月6日 第11回口頭弁論
2018年4月24日 第12回口頭弁論。結審
2018年11月20日 東京地裁判決。原告敗訴
 イラク戦争検証報告書情報公開訴訟東京地裁判決について
2018年12月3日 東京高裁に控訴
2019年3月4日 東京高裁第1回口頭弁論
2019年4月22日 第2回口頭弁論。結審 ※判決期日はこの時点では未定
2019年8月21日 東京高裁判決。原告側敗訴
2019年9月4日 最高裁に上告・上告受理申立て
2019年12月12日 最高裁第三小法廷から記録到達通知



 

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