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イラク戦争検証結果報告書などの不開示処分の取消等を求めて東京地裁に提訴

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 2015年7月16日、特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウスは、外務省の行ったイラク戦争検証報告書などの不開示決定の取り消し等を求める訴訟を、東京地裁に提起しました。

 イラク戦争検証結果報告書不開示処分取消等請求事件提訴記者会見資料

 2002年3月に当時の小泉総理が支持を表明したイラク戦争は、国連決議がなく、また武力行使の根拠となった大量破壊兵器の存在が確認されず、正当性が国際社会でも問題になったものです。

 2004年にはアメリカ、イギリス、オーストラリアで大量破壊兵器問題についての情報機関の情報収集・分析・評価能力等の検証が行われ、その後、オランダではイラク戦争を支持した当時の判断の適法性が検証対象になり報告書がまとめられ、イギリスでは政府内での政策決定過程のあり方そのものが検証対象となっています(まだ、報告書は取りまとめれていない)。

 日本では長らく当時の判断が検証されることなく来ましたが、民主党政権下の2011年に外務大臣の指示により外務省内部で検証が行われ、2012年12月に報告書が取りまとめられましたが、ポイントのみの極めて簡単な資料しか公表されませんでした。

 今回情報公開請求をしていたのは、この検証報告書そのものと、検証過程にかかる文書です。イラク戦争開戦前後の公電や国会対応、報道対応の文書類、終結後の各国での検証の動向などの公電などは公開されたものの、報告書と実施したとされているヒアリング記録など、検証過程にかかる文書は全面不開示となりました。現在、報告書が何ページであるのかもわかっていません。

 この外務省に決定に対して、全面公開を求めて情報公開訴訟を東京地裁に提起しました。

 このような提訴の背景には、特定秘密保護法という問題や安全保障関連法制の動向という問題から、当会では外交・安全保障という政策決定の情報公開に関心を強めてきた、ということがあります。

 特に、外交・安全保障分野は非公開・秘密性を当然のこととしており、情報公開が進んでいない分野でもあります。理由は、高度な専門性が政策判断に必要ということであります。しかし、その結果、政府が妥当で正当な外交政策、安全保障政策を行っているのか、行ってきたのかという検証と評価が遠い先の歴史検証に委ねられ、今、現在の妥当性や正当性、そしてアカウンタビリティの徹底がなされずに来ています。

 イラク戦争後の自衛隊の派遣は今の安全保障法制につながる一つの転換点でした。国際情勢の変化というのであれば、その変化に対応するためには、歴史検証ではなくもっと短いサイクルで検証・評価とその結果の情報公開を行い、より良い政策判断・政策決定がなされるようにすべきである。そのことが、市民の知る権利を保障し、政府の判断や決定の正当性やアカウンタビリティを向上することになると考えています。

 安全保障・外交分野の非公開を争う訴訟は非常に難しいものですが、これらの分野の非公開や秘密性を嘆き、批判だけしていても問題が具体化していきません。この訴訟を通じて、安全保障・外交分野の情報公開のあり方そのものを考えるきっかけになればと考えています。

 なお、この訴訟は6名の弁護士からなる弁護団が担当し、公益社団法人自由人権協会の支援を受けています。
 

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