【調査】東京都 情報公開審査会の答申は過去5年分のみweb掲載 神奈川県は1983年分から掲載


 東京都は情報公開条例の改正を行うとして、改正案概要に対するパブリックコメントを実施中(4月26日まで)です。都知事が「情報公開は一丁目一番地」と常々述べておられますが、「情報公開の一丁目一番地」は不開示情報の範囲です。

 改めて言うまでもないことですが、情報提供は行政が提供できると判断したもの、あるいは情報提供したいものを公表していくものです。一方、情報公開条例の核心的な意義は、行政が公開していない、あるいは公開したくない情報の公開を求めて行くことにあります。そして、請求に対する不開示決定などの不服申し立てが行われ、不開示の範囲についての解釈運用が情報公開審査会で審査され、答申として公表されます。この答申が、いわば裁判でいう「判例」のような役割をはたしていて、自治体における条例の解釈運用に影響を与えます。

 そのため、審査会の答申は過去のものも含めて参照できるように広く公表されているべきものであります。ところが、東京都は5年までしか遡れません。web上では2012年以降の答申のみアクセス可能で、都庁にある「都民情報ルーム」でも、答申は5年で「除籍」(開架対象から外される)となっていました。2012年分は2017年7月に除籍することとファイルの背表紙に明示されています。

 しかし、多くの都道府県ではもっと過去にさかのぼって答申が参照できるようになっています。例えば、都道府県で最初に情報公開条例を制定した神奈川県は1983年の答申からwebに掲載されています。他の道府県は、29府県が2001年度以降、2002年度以降が3県、2003年度以降が3県。2001年度以降の29府県のうち16府県は、それ以前の答申も掲載しています。

 一方、答申の掲載期間が短いのは、茨城県、東京都、鹿児島県の5年、愛知県の2年でした。愛知県は、2年度としていますが、直近の答申のみの掲載でした。短期間のみ掲載は少数派です。

 なお、東京都はそもそも答申例が多く全部掲載は難しいという言い訳がされそうなので、東京都よりも明らかに答申件数の多い横浜市も参考に調べてみました。そうしたところ、東京都は786件の答申に対し横浜市は1,389の答申がこれまでに出され、東京都は2012年1月19日の答申が最もweb上で古い答申ですが、横浜市は2000年5月17日でした。
 
 ちなみに、国は情報公開法施行以降から審査会の出した答申約1万3千件がデータベース化されてすべて公開されています。

 情報公開条例の改正で情報提供施策の拡充をICTの活用により行うとしている東京都。審査会答申のICTを利用した情報提供の拡充についても、当然に対応されるべきでしょう。
  
【答申のwebでの公表状況】


※横浜市は参考として掲載



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