環境省が独立行政法人放射線医学総合研究所に委託をして実施された「東京電力福島第入り原子力発電所事故に係る放射線被ばく線量把握調査等」事業の報告書が、情報公開請求による公開された。
平成24年度には同じく放医研への委託で「事故初期のヨウ素等短半減期による内部被ばく線量評価調査」が行われ、初期被ばくの推計についての調査研究が行われた。この調査について、「同推計は、個人の行動情報を反映したものではなく、その根拠として多くの情報についても不確かさが排除できていない。さらなる推計制度の向上のためには、放射線核種の拡散過程を詳細に解明するとともに、事故初期における避難住民の行動及び生活実態を把握することが不可欠であり、推計方法の見直しを図る必要がある」としている。また、その他の課題として、個人線量計測定が一般公衆を対象としており、職業被ばくにおける個人線量計との違いに起因する課題が生じているため、公衆を対象とした統一的なガイドラインのような素材を策定、関係者間の共通理解を持つことが望まれることが、本事業に当たっての課題としている。
この調査は、
1)事故初期の内部被ばく線量の把握
2)個人被ばく線量モニタリング運用マニュアルに必要な情報の収集
3)WBC校正事業等
の3点から主になっている。1)、2)は主に文献調査・収集のまとめ、3)は体格別ファントムを用いて導出した椅子型WBCの体格補正式が示されている。
【情報公開文書】
○ 東京電力福島第一原子力発電所事故に係る被ばく線量の把握調査等
開示請求 | 2014年4月2日付 |
開示決定 | 2014年7月 |
決定者 | 環境大臣 |
決定内容 | 一部開示 |