10月27日付の朝日新聞「外務省、公開済み内容を「不開示」に 沖縄返還文書など」 は、外交文書の情報公開の問題を報じています。
具体的な問題は、いろいろな示唆を与えてくれます。2010年の外務省でのいわゆる密約調査によってこうかいされ行政文書と同じものを、最近の情報公開請求で一部不開示としたという問題で、これ自体大きな問題です。しかし、当法人で注目したのはWEB版記事の写真と改めて情報公開請求に対して開示・不開示の審査を行ったということです。なぜなら、写真だと黒塗りの方には「秘密指定解除」と記載されているのに、もう一方には「秘密指定解除」とないことです。
2010年段階では外務省の規則によって、省内での秘密指定手続きがあり、秘密指定解除をしたものには解除の印を押すなど、秘密指定解除したことがわかるようにすることが義務付けられていました。密約調査で公開したものは、当然秘密指定解除されているはずで、それが原本や現存しているその他の文書に秘密指定解除と明示されていないとならないはずなのです。そこで、秘密指定と解除について、実際にどのように運用されているのかなどについて、質問を外務省に対して出しました。
今回は、原本中心に質問をしていますが、本当は、秘密指定文書の複写分もどのように管理されているのかということも、詰めて聞きたいところではあります。なぜならすでに秘密指定解除されている行政文書の複写が形式的に秘密指定されたままだと、繰り返し同じように秘密指定解除するか否かや、情報公開請求に際して繰り返し開示・不開示の審査を行う結果として、その都度判断が異なるということもあり得るからです。情報公開請求を受けての審査の問題なのか、それ以前に秘密指定したことに対してすべきことをしていない結果として、審査上問題が生じているのかでは、解決すべき問題、改善策も異なってきますので、何が課題かしっかり見定める必要があると考えます。