[ブログ]公文書管理法の規定の読み方はそれでいいの?

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 国会図書館調査立法考査局が出す「調査と情報-Issue Brief」は、日ごろから勉強になるので、参考にさせてもらっている。

 2018年2月28日に「行政機関における文書管理-国の説明責任に係る論点と改善方策」が出され、これまでの経緯と海外状況で紹介されたものがまとめられている。新しい内容はないので、ガイドラインなどいちいち読んでられないという人には、さっと確認するのによいと思う。

 ただ、公文書管理法施行以降、何となく皆が誤解していたものがそのままになっていて極めて残念。8ページに1年未満保存文書の扱いについて、「行政文書のうち1年未満保存文書は、行政文書ファイル管理簿に記載されず、内閣総理大臣の同意を得ずに廃棄することができる運用が行われている」とあるが、これは間違い。公文書管理法は、1年未満であっても1年以上であっても、内閣総理大臣の同意を得ないと廃棄できない規定になっているので、「同意を得ずに廃棄することができる運用」は明確な違法行為なので、こういう書き方は間違い。

 2011年4月1日付の内閣総理大臣決定で、廃棄の際の同意手続を決めているが、その中で1年未満のものについては個別の廃棄同意を要しないとして、包括的に廃棄同意をしている状態になっている。

 1年未満文書問題は、行政文書ファイル管理簿に登録されないのは、公文書管理法とその施行令の問題、廃棄の同意の問題は、法令では例外を認めていないので、同意をする内閣総理大臣の決定の問題ということになる。前者は国会の採決を経たもの、後者は法に定めた権限に基づく判断という点で、質の異なる問題・課題。

 とはいっても、結局廃棄審査を行政文書ファイル管理簿に基づき行っているので、登録されていない1年未満文書は審査のしようがないというのが実態。結局、ファイル管理簿に登録しないという仕組みである以上は、公文書管理法の規定に基づき廃棄を実施しようとすると、包括的に同意を与える以外にないということでもある。

 ただ、結局この辺の問題をごちゃごちゃにして議論をしているから、どう廃棄や保存期間をコントロールするのかというところで、ろくな議論ができていなかったわけだし、このことに私が気づいたのも1年前のことだしということなので、あまり人のことは言えない。しかし、結局不正確な解釈が正しい解釈運用かのように流布され続けることは勘弁してほしい。(三木由希子)




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