21世紀構想懇談会の議事録不開示に不服申立て

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 安倍首相の戦後70年談話の内容を検討している「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(21世紀構想懇談会)。会議は非公開、議事概要は後日発言者名がわからないようにして公開という運営がされています。

 この懇談会、名称からして大きなテーマを検討しており、参集している有識者の責任は重いものです。誰がどのような見解を述べているのかは記録され、公開されるべきであると考え、発言者名入りの議事録などを情報公開請求しましたが、不開示となりました。そこで、不服申し立てを行いました。以下、事案の概要です。

 なお、今後その他の会議の議事録等についても順次決定が出ますので、それらについても不服申立てを行う予定です。

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2017年7月2日
リリース



1 情報公開請求の概要

 安倍首相の「戦後70年談話」の内容に関して検討をしている「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(21世紀構想懇談会)は、会議を非公開で行い、議事概要を後日公開しています。

 議事概要は第1回を除き、比較的詳細に作成されていますが、誰の発言かがわからない記録として作成されています。第1回会合の議事概要によると、「懇談会の運営方針として、懇談会は非公開とし、懇談会の議事要旨は、発言者名を付さない形で公開することが合意された。」とあり、懇談会に参加をしている有識者の総意として、発言者名は明らかしないことを決定したことになっています。

 情報公開クリアリングハウスでは、①発言者名入りの議事録が作成されているのか、②作成されているならば公開できないのかどうか、について確認をするため、発言者名入り議事録と議事内容を録音したデータを会合ごとに情報公開請求してきました。
 


2 発言者名入り議事録は作成をしている

 当会の情報公開請求に対しては、決定延長などが行われているため未確認の回もありますが、以下のような文書の存在が確認されました。

  第1回 会合概要(総理挨拶部分のみ開示、それ以外不開示)
  第2回 会合概要・録音物(いずれも全部不開示)
  第4回 会合概要・録音物(いずれも全部不開示)

 少なくとも、発言者名を含む会議内容の記録が作成されていることが確認されましたが、いずれも不開示となりました。不開示の理由は以下の通りです。

「非公開で行うことを前提とした有識者懇談会の記録であり、公にすることにより率直な意見の交換が妨げられるおそれがあるため不開示とした」(情報公開法5条5号)

 


3 会議非公開が、発言者を秘密とすることを条件とした会議となっている

 21世紀構想懇談会は、「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想する」ことを主題として開催され、有識者は非常に大きなテーマを検討する重大な役割を持って会議に参加をしています。

 会議を非公開で開催することは、①不開示情報に該当する内容が会議内容に含まれる可能性がある、②円滑な会議運営を行うためというような、運営上のやむを得ない場合に選択されることもあります。ただし、会議を非公開で実施すること=会議参加者の誰が何を言ったのかを秘密にして守る、ということでは本来はないはずであります。

 しかし、不開示決定の理由は「非公開で行うことを前提とした有識者懇談会の記録であり、公にすることにより率直な意見の交換が妨げられるおそれがあるため」て、非公開の会議という約束なので、公開することが意見交換の支障があるという、会議非公開=誰の発言かは秘密、としないと意見が言えないとされています。

 「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想する」という非常に大きなテーマを扱っている懇談会の有識者が、自分が何を言ったのかを秘密にしてほしいというような人たちだと困ります。また、発言内容も含めて公開されると意見が言えなくなるというような、自分の発言に責任を持てないかのような人たちであっても困ります。
そこで、不開示決定に対して取り消しを求めて、不服申立てをしました。
 


4 不開示決定に対する不服申立て

 【審査請求の概要】
  ①争いの対象
   第1回 会合概要(総理挨拶部分のみ開示、それ以外不開示)
   第2回 会合概要・録音物(いずれも全部不開示)
   第4回 会合概要・録音物(いずれも全部不開示)

  ②申立先
   内閣総理大臣(処分庁は内閣官房副長官補 兼原信克)

  ③申立て年月日
   2015年7月1日付け(7月2日に受付けられたことを確認済み)

  ④申立ての理由(主要な部分)

 「非公開で行うことを前提とした有識者懇談会である」ことをもって、「率直な意見交換を妨げるおそれがある」とするのは、有識者懇談会を構成する有識者が主観的にそう感じる以上のものでもなく、あるいは非公開でなければとても意見が述べられないような見識の者であるか、意見が明らかにされてそれに対するさまざまな見解・評価が提示されることに耐えられない程度のものを国の政策形成に反映させようとしているのか、のいずれかに過ぎない。このようなことを保護するために法5条5号の規定が設けられているわけではなく、あくまでも開示・不開示の利益を比較衡量し、不当な支障がない限りは開示しなければならないものである。」



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