環境省から、日本エヌ・ユー・エス株式会社に業務委託して実施していた公募課題による研究調査の2012年度の概要と、各研究課題テーマごとの研究成果に関する資料が、情報公開請求により一部公開された。
2012年度の新規公募課題は以下のテーマ。
Ⅰ 放射線被ばく線量評価に関する研究
Ⅱ 放射線による健康影響の解明に関する研究
Ⅲ 放射線による健康不安対策の推進に関する研究
応募総数44件から、15課題の研究課題を採択し、3年間研究が行われる。2013年2月26日には研究成果発表会が開催された。
今回掲載するのは、公募課題の選考等の業務に関する報告書と、研究成果発表会で各研究者が発表した際に用いた資料。報告書に方にも各研究課題ごとの研究と成果の概要をまとめたものが含まれている。
【情報公開文書】
○「放射線の健康影響に係る研究調査事業」業務報告書(2013年3月 日本エヌ・ユー・エス株式会社)
- 日本家屋におけるしゃへい係数及び屋内汚染に関する調査研究
- 福島第1原発事故による飯舘村住民の初期被爆放射線量評価に関する研究
- 階層的ゲノミクス解析を基盤とした放射性物質による健康影響の解明
- 低線量率・低線量放射線被ばくによる組織幹細胞の放射線障害の蓄積に関する研究
- 低線量率放射線被ばくの健康影響-インド・中国の高自然放射線被ばく地域住民の調査結果を中心として
- 細胞動態のシステマティックレビューと実験データ解析による低線量・低線量率における放射線がんリスクの描写
- 低線量被爆の血液動態への影響の解析(東電健診データをマウス実験を通して)
- 放射線の非がん影響の解明
- 低線量率放射線長期被ばくによる生体影響の低減化
- 低線量放射線は心血管疾患発症の原因と成りうるか?-動物実験による検証
- 福島県における放射線健康不安の実態と効果的な対策手法の開発に関する研究
- 保健師による実際的な放射線防護文化のモデル開発・普及と検証:放射線防護専門家との協働によるアクションリサーチ
- 自治体と研究機関で進める効果的な放射線教育活動の模索と効果の検討
- 地域特性を生かしたリスクコミュニケーターによる放射線健康不安対策の推進
- まるごと線量評価に基づく詳細なリスク分析に伴ったリスクコミュニケーションの確立
○平成24年度「放射線の健康影響に係る研究調査事業」研究成果発表会(2013年2月6日 東京国際交流館)
- 「階層的ゲノミクス解析を基盤とした放射性物質による健康影響の解明」 秋光信佳(東京大学アイソトープ総合センター)
- 「保健師による実際的な放射線防護文化のモデル開発・普及と研修-放射線防護専門家との協働によるアクションリサーチ」 主任研究者 麻原きよみ(聖路加看護大学)
- 「日本家屋内におけるしゃへい係数及び屋内汚染に関わる調査研究」 吉田弘子(東北大学)
- 「放射線による健康不安対策の推進に関する研究 自治体と研究機関で進める効果的な王車線教育活動の模索と効果の検討」 中山信太郎(徳島大学大学院教授)
- 「低線量率・低線量放射線被ばくによる組織幹細胞の放射線障害の蓄積に関する研究」 鈴木啓司(長崎大学大学院歯薬学総合研究科放射線医療科学専攻)
- 「低線量率放射線被ばくの健康影響評価 -インド・中国の高自然放射線被ばく地域住民の調査結果を中心として」 秋葉澄伯(鹿児島大学大学院)・床次眞司
- 「細胞動態のシステマティックレビューと実験データ解析による低線量・低線量率における放射線がんリスクの描写」 甲斐倫明(大分県立看護科大学環境保健学研究室)
- 「低線量被爆の血液動態への影響の解析(東電健診データとマウス実験を通して) 岡崎龍史(産業医科大学医学部放射線衛生学講座)
- 「放射線の非がん影響の解明」 近藤隆(富山大学大学院医学薬学研究部放射線基礎講座)、柏倉幾郎(弘前大学大学院保健学研究科放射線生命科学分野)、稲波修(北海道大学大学院獣医学研究科放射線学教室)
- 「地域特性を生かしたリスクコミュニケーターによる放射線健康不安対策の推進」 大野和子(京都医療科学大学)
- 「まるごと線量評価に基づく詳細なリスク分析にともなったリスクコミュニケーションの確立」 宮崎真(福島県立医科大学放射線健康管理講座)
- 「低線量放射線長期被ばくによる生体影響の低減化」 山内一己(公益財団法人環境科学技術研究所生物影響評価部)
- 「福島第1原発事故による飯舘村住民の初期放射線被爆評価に関する研究」 今中哲二(京都大学原子炉実験所)
- 「低線量放射線は心血管疾患発症の原因と成りうるか?-動物実験による検証」 丹波保晴・高橋規郎(放射線影響研究所放射線生物学/分子疫学部 顧問)
開示請求 | 2013年6月4日付 |
開示決定 | 2013年9月2日付 |
決定者 | 環境大臣 |
決定内容 | 一部開示 |