「放射線の健康影響に係る調査手法等に関する研究調査事業」報告書

 環境省から一般社団法人環境情報科学センターに委託されて行われた「放射線の健康影響に係る調査手法等に関する研究調査事業」の報告書が情報公開請求により公開された。

 調査事業の目的は、

「広島・長崎の原爆被害者に関する疫学調査や、動物実験等による放射線生物学的な研究に加えて、遺伝学的な解析技術について信頼性の高い手法の確立に向けて、ゲノム学的な手法を基盤とする放射線の健康影響解明の研究調査に必要な様々な知見等の収集・整理を行い、実施可能性の検討に資すること」

とされている。業務内容は

「放射線による遺伝学的な影響に関する調査を企画立案するに当たり、被ばく線量推計、母集団設定、ゲノム・塩基配列解析手法、バイアス・交絡要因等の疫学的方法論、研究倫理に関する情報収集・整理を行い、調査プロトコール案を作成した」

ということとされている。報告書で想定をしている研究調査とは「東京電力福島第一原発事故による追加的な放射線被ばく量と世代間に新たに生じる生殖細胞DNAの突然変異との関係について実態を調べる断面研究」。祖父母・父母・子どもの三世代の曝露評価と末梢血などの生体試料を採取して、全ゲノム比較解析により明らかにすることを目的として行うことを想定して、実施に当たってのプロトコールなどが検討され、報告書にまとめられている。

平成24年度原子力災害影響調査等事業「放射線の健康影響に係る調査手法等に関する研究調査事業」(平成252年3月)

開示請求 2013年5月22日付
開示決定 2013年6月20日付
決定者 環境大臣
決定内容 一部開示

 
 

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