福島第一原発事故に関連して福島県に送られた最初のモニタリングデータ、SPEEDI情報

福島第一原子力発電所の事故を受けて、福島県対策本部あてに最初に送付されたとされている、経済産業省緊急時対応センター(ERC)放射線・住安班のFAXからのモニタリングデータとSPEEDIのFAXが、福島県に対する情報公開請求で公開されている。

鑑は、太字の部分がおそらく送信者側(国)のもの、同じものに書かれている細字の書き込みは、おそらく福島県の職員によるものと思われる。福島県職委員からの書き込みだとすると、この時点での国とのやり取りの内容を記録したとみるべきだろう。

2枚目のモニタリング情報には、「陸側に影響がある日時は3/12 13:00~19:00 3/13 04:00~06:00 特に汚染の可能性があるのは、1×:00~17:00」とメモされている。筆跡から見て、国側のメモ。FAXが送られたのは3月13日の10:37であり、「影響がある」とメモされている日時より後。しかし、国側は汚染の可能性があることを承知していたということだ。

SPEEDI情報は、3月12日3時~3月13日8時までのもの。3月12日15:36の一号機の水素爆発の時を含むデータ。前述のモニタリング情報の手書きメモを踏まえると、どのタイミングで陸側に影響があるかは、SPEEDI情報で予測を国ではしていたということだ。

事故に関する調査等でこの情報の存在はわかっていることとはいえ、当時の混乱というべきか、無策というべきか、そのような状態がよくわかる。また、「影響がある」とされた日時後に送付した国、受け取った福島県が、それで何をしようとしたのかがそれ以上に大事なところだが、その後の対応を見るとそれが抜け落ちている。今後の教訓という言葉では片づけられない公文書。

発電所周辺の空間線量測定値(3月11日~13日測定分)及び大気中ヨウ素の拡散予測結果(3月12日3:00放出分から3日8:00放出分)(福島県)

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