[ブログ] 職員個人間で引き継ぐ「個人文書」というパターンの登場

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愛媛県職員が作成した獣医学部新設に関する首相秘書官と内閣府次長との面会記録が、農水省から見つかったという話。

4月13日に発表した農水省の調査結果によると、職員が文書を保有していたものの、前任者から紙ベースで受け取ったものの、農水省の所掌事務とは直接関係ないものと考え、行政文書としての管理を行わずに保有していたという。その後獣医師法等の担当から異動した際に、後任に渡さず個人で持っていたという。

職員間で引き継がれた文書を、行政文書としては管理せずに個人文書として保存していたという、これまでとは違うパターン。少なくとも、担当者間で引き継ぐ文書は、行政文書として管理されていないとまずいだろう。時期的には、面会が2015年4月2日、農水省での担当者の異動が2015年5月であるとされているので、文書を受け取ってから異動まで時間が短かったことは確か。個人文書とするつもりが、諸状況を勘案して引き継いだということも言えそうだが、後任者に引き継ぐのは業務上の引継ぎで、その時点で行政文書だろう。後任者は、引継ぎを受けた文書を勝手に所掌事務に関係ないから行政文書ではないとしたら、行政文書を個人文書化したことになる。

農水省の調査結果は、事実関係を淡々と書いた1枚紙のあっさりしたもの。問題認識などは書かれておらず、行政文書に当たるかどうかの言及も避けている。文科省の加計学園文書の時も、個人文書が間違って共有フォルダに保存されていたと、行政文書性について明言しなかったのと似ている。

今回の農水省のパターンは、①比較的行政の中では起こりがちな現象、②行政文書の管理についての理解不足、のどちらだろうか。ときどき耳にする話から類推すると、裏文書として持っている行政文書として組織的に管理されていない文書ということもあるのかと思う。この場合は、①なのかなと思う。

手間の問題もあるだろうが、行政文書化することを避けようとするのは、行政組織がやはり前向きに仕事をしていない、信頼される努力を具体的にしているとは言えない、ということなのだろうか。情報公開法以来、行政文書の内容が薄くなるということは、以前から起こっている問題であるが、きちんと作れ、というよりも、前向きに仕事してください、というべきなのではないかと最近は思っている。

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