【ブログ】標準文書保存期間基準

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 公文書管理法の運用で問題になっていることの一つが保存期間の設定。この保存期間って、どのような原則や概念のもとにつけられているのかなど、実は調べてもよくわからない。なぜこういうものがこの期間なのか、ということを合理的に根拠をもって説明できる人にぜひ、話を聞いてみたいところ。

 行政文書の保存期間は、公文書管理法施行令で大枠を決め、行政文書管理ガイドラインで文書類型もしたものを作成し類型ごとに保存期間満了後に廃棄か移管かを定め、これに基づいて各行政機関が行政文書管理規則で定めている。行政機関ごとに業務内容が異なるので、ガイドラインで定めた内容はそれぞれの状況に応じて修正ができ、公文書管理委員会が検討してOKであればそのまま規則になる。

 ただ、行政機関内も各課室で担当している業務が異なるので、だいたい課室の長が「文書管理者」となって、標準文書保存期間基準というのを策定することに規則上なっている。この基準というのがどうなっているのかを調べたことがなく、この間、公文書管理で文書廃棄が問題になっているので、とりあえず調べてみることにした。

 主要省庁は情報公開請求して取り寄せ、内閣府と内閣官房は請求先が複数に分かれて面倒くさいので、今回は請求していない。公開された分を積み重ねるとこんな感じ(ちなみに、総務省は電子データでもらったのでこの山には入っていない)。



 課室ごとに基準が作られているので、そうすると課室ごとに一請求だと言われ、多くの省庁で請求書を出すときに必要な開示請求手数料の件数がかなりの数になる。例えば、一番多かったのが外務省で100件以上だったので、請求書だすのに3万円以上かかった。この請求件数も、相互に関連しているからと一請求でいくつもの課室分のものを出してくれたところと、課室ごとに一請求と開示請求手数料の徴収をしたところといろいろ。どういう単位で徴収するのかは、複数省庁に同種の請求をすると、結構違いがあるので行政の生態を観察する上でなかなか面白い。

 話しはそれたが、結局この標準文書保存期間基準に基づいて、実際の行政文書の保存期間は決められているが、ここにもない分類の行政文書の場合は、1年未満になったり、類似のものを参考に保存期間を設定したりと、どうなっているかは不明。

 基準をざっと見ると、基本的には1年以上の保存期間のものが乗っているのと、保存期間満了後に移管とされているものは、ガイドラインと規則で移管とされているもの以外に特色がなさそう。言い換えると、上位のルールで移管とされていなければ、基本的には移管文書ではないということなんだろうな、ということだと思う。

 極めてまれなケースで「1年未満」という保存期間がついているものもあるが「軽微なもの」程度の説明なので、基準にはなっていない。1年未満を基準化しているものは、おそらくないか、あっても同じようなケースだろう。

 他に気になったのは、基準にはたいがい保存期間満了後の措置として廃棄か移管が決められているが、この廃棄・移管の区分がついていない基準が特定の行政機関にあった。

 そして理解しがたいのが経済産業省で、なんと、課室ごとの標準文書期間基準はない。経産省の行政文書管理規則で定めた保存期間表を、細則で標準文書保存期間基準に読み替えているので、課室ごとにはありませんということのよう。課室ごとに業務内容がいろいろなので、規則の類型にないものがあったときはどうしているのですかと経産省の担当者に聞いたところ、過去の同種のものを見て決めていて、登録されたものを文書管理システム担当なども見ているが特に問題なく運用されているとのこと。

 基準は内部の業務処理のためだけど、それだと経産省以外の人が誰もチェックできないよね、と思わず言いかけたけど、内部都合でものを決めているであろう人たちに話してもしょうもないなと思い、代わりに「主要な省庁すべて調べたけど、経産省だけですよ。ないのは」とにこやかに電話口でお伝えしておいた。

 この基準は、写真の通りすごい量なのでまだ十分にみられていない。どう使うか思案をしていたけど、そろそろ手をつけないとと思っている。(三木由希子)

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