【ブログ】公文書管理法のガイドラインの改正は1年以上前からやらなければならなかったこと

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 21日の会見で菅官房長官が、公文書管理法のガイドライン改正などを会見で述べたことがニュースになっています。

 会見では、行政文書と個人メモの線引きはすでに考えが整理されているので、これに基づいて質の管理を行政機関が行えるように規則も必要に応じてた見直しを進めていくというようなことを言っているが、行政文書の線引きは規則でされているものではなく、規則のもとになる行政文書管理イドラインでも定められていないものです。そのため、官房長官が規則で何を改定するとこの問題が解決するのかは、よく理解していないで話していた可能性が高いと思っています。しかし、仮に線引きをするのであれば、これは大いに警戒をしなければならないところです。

 一方、その他に官房長官が述べていたことは、歴史的文書の該当性の判断の質の向上、歴史的重要性の判断基準の検討、研修の充実ですが、これはすべて2016年3月に公文書管理委員会が法施行後5年以内の見直し検討の結果としてまとめた、「公文書管理法の施行5年後の見直しに関する検討報告書」で示されていたものです。つまり、この間さまざま問題になった公文書管理に関する問題を踏まえたガイドラインの改正の表明ではなく、やらなければならないと1年前にされて積み残されていたものを、公文書管理が問題になっているのでやりますと言っているにすぎないということです。

 結局、今問題になっていることを踏まえるなんてことは、少しも考えていないことを表明した、ということになるわけです。

 その「公文書管理法の施行5年後の見直しに関する検討報告書」は、結局具体的なことはなんも検討していない報告書です。報告書の6ページから行政文書の定義などについても触れていますが、とっても中身がなくて「素敵」です。報告書は一見すると70ページ以上ありますが、報告書本文は15ページほどなのですぐに読めます。読んでいると、今の状況を踏まえるとかなりイラっとするか、おめでたさにめまいがするので、そういうものだと思って読んでいただくとよいかと思います。

 当時、見直し検討をするということで、何をするか第1回目の資料などを見て「結局、総ざらいはするけど何のアジェンダ設定もないのね」ということが良くわかるものでした。しかも、課題設定を開かれた形でやる意思もないのもよくわかるものだったので、一度だけ、見物に傍聴に行ったきりで資料のみのフォローをしていただけでした。傍聴に行った回は、国立公文書館や外交史料館を研究で利用している研究者の話だったので、それなりに面白かったですが、研究者の内輪話をお互い楽しくしている感じがにじみ出ていたのが、ある意味ほほえましい感じでしたが。

 当時、簡単にあきらめたというか、見切ってしまったのはよくないと反省しつつも、公文書管理委員会は内閣総理大臣の諮問に応じて検討をするところなので、実際のところは諮問がされてしまうと、そこから広げるのは容易なことではないわけです。そのため、本来は諮問前に会議を開いて、論点設定などについて開かれた議論をしたりコンサルテーションをして、総理大臣諮問にすればよいと思うのですが、それもできないのが今の政府の残念なところというか、何をしても信頼がされないところ。

 注意をしなければならないのは、1年以上前に設定された課題や論点しか、この期に及んでも言えない政府の状況。結局このままだと何もしないことになるので、ちょっと頑張らないと。(三木由希子)

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