甲状腺検査の判定・通知の内容の変遷-甲状腺検査専門委員会での検討




 福島県立医大の放射線医学県民健康管理センターの甲状腺検査専門委員会では、甲状腺検査結果の判定結果の区分、通知方法・内容について相当の回数議題に上っている。

 甲状腺検査は、A1、A2、B、C判定の四段階で判定が通知されているが、当初は判定が二段階は三段階の案であったり、説明内容もだいぶ変遷をしている。最初、警戒区域等を対象とした先行検査に際し、判定結果の案が複数出されて最終的に4段階の判定になったが、A2判定の説明をあまりせずに通知をしたためか、その問い合わせが多く、その後A2判定の説明を加える方向に動いている。先行検査をした人に対しては、追加説明を送付し、2012年度実施分からは結果のお知らせの際に一括して説明も含めて通知されるように変わってきている。おそらく専門委員会第35回での配布分が確定版であろう。

 甲状腺検査専門委員会の配布資料を時系列でみていくと、以下のような変遷をしている。

第8回(2011年10月11日)
 ○甲状腺検査の結果について(通知案)

 判定結果の表記方法として5案示されている。このうち4つの案がA、B、C判定の三種類。Aは「明らかな以上は認められませんでした」で共通、Bが5mm以下の結節・20mm以下の嚢胞があった場合の表記方法が若干異なり、Cは「二次検査をお勧めします」で共通。残りの1案は、A判定が「明らかな以上が認められませんでした」、B判定が「二次検査をお勧めします」で、A判定には中として小さい結節・嚢胞があっても二次検査は必要ないと書いてある。
 C判定の場合の説明の中には、この時点から「今回の原発事故以前から存在していた可能性が高いと考えられます」という説明が入っていた。

第9回(2011年10月18日)
 ○甲状腺超音波検査結果のお知らせ(案)

 A、B、C判定の三段階の案となる。A判定は「異常所見は認められませんでした」、B判定は「明らかな以上はありませんでしたが、小さな結節(しこり)や嚢胞を認めます。これは、現在の基準からは次回の健診まで経過観察とします」、C判定は「二次検査をお勧めします」との説明。
 B判定の場合は、「自然退縮も見られ」という説明に加え、「異常を自覚された場合には下記にご相談ください」との記載がある。

第13回(2011年11月15日)
 ○甲状腺超音波検査結果のお知らせ(案)

 ここから、A1、A2、B判定というわけ方になる。A1が異常所見なし、A2が小さな結節・嚢胞があるが経過観察、Bは二次検査で、説明は基本的に第9回と同じ。ただ、手書きでB判定の場合の説明から「今回の原発事故以前から存在していた可能性が高い」という記載から「今回の原発事故」を消去するとの記載があるので、この回でこのあたりが話し合われていた模様。また、A2判定では、第9回で「異常を自覚された…」の記載が消え、「通常の診療においても、検査や治療の対象とならずそのまま経過を観察します」との記載が追加される。


第14回(2011年11月29日)
 ○甲状腺超音波検査結果の結果について(案)

 第13回と同じ三段階の判定。B判定では、「二次検査の対象となった皆さまの大部分は良性の結節であることが予想され、以前から存在していた可能性が高いと考えられます」との説明が冒頭に来ている。また、「今回の原発事故以前から存在していた可能性が高い」という記載そのものがなくなる。

第15回(2011年12月6日)
 ○甲状腺超音波検査結果の結果について(案)

 第14回と同じ三段階判定でほぼ同じない内容。二次検査についての案文が加わる。

第16回(2011年12月13日)
 ○県民健康管理調査に係る甲状腺検査の結果について(お知らせ)(案)

 第15回の案文とほぼ同じで、形式がだいぶ整えられ、二次検査と甲状腺細胞診検査についての説明の案文が加わる。

第17回(2011年12月20日)
 ○甲状腺検査の結果について(お知らせ)(案)

 この回から、A1、A2、B、C判定の4段階判定の案となる。A1、A2は前回までと同じ。B判定は「二次検査をお勧めします」、C判定が「甲状腺の状態から判断して二次検査を受けることをと強くお勧めします」という内容。A2判定の説明が簡略化され、「現在の診断基準から二次検査で細胞診をする必要はないとされております」という説明に。B判定は前回までの説明内容と同じで、C判定はかなり強い記載に。二次検査と甲状腺細胞診検査の説明もついているが、C判定が増えたがこちらの内容は前回までと同じで、C判定を想定した記載なし。

第20回(2012年1月17日)
 ○甲状腺検査の結果についてのお知らせ(案)

 前回とおなじ4段階の判定。C判定は「甲状腺の状態等から判断して、ただちに二次検査を受けていただくことが必要です」と若干の表記を修正。注記が加えられ、以前はB判定の説明として加えられていた、「原発事故による放射線の影響で、小児の甲状腺にしこりができたのではないかと心配されている方もいらっしゃるかと思いますが、今回の検査はあくまでも現在の甲状腺の状態を把握するためのものです。以上のことから、二次検査が必要ということが放射線による影響が甲状腺に洗われたということではありません」という説明が、B・C判定向けの説明となる。

第30回(2012年4月3日)
 ○A2判定の結節と嚢胞を分けて通知(案)

 先行調査の反応などを見て、A2判定の場合の追加説明の記載内容を検討。結節と嚢胞を分けて説明をすることとされている。
 結節疑いは「5mm以下の結節(しこり)は非常に小さいため、嚢胞(液体の入った袋のようなもの)と厳密に区別することは難しいことがあります。結節(しこり)であったとしても、5mm以下であれば、長期間の経過観察によっても増大することはまれであり、細胞診を行う必要はないとされています。このため、次回の甲状腺検査を受けていただくことで十分と考えられますが、万が一、甲状腺の部位にしこりがふれたり、甲状腺の部位が急速に大きくなるような場合には、医療機関を受診されることをお勧めします」との説明。
 嚢胞については、「嚢胞は中に液体の入った袋のようなものであり、結節(しこり)とは異なります。20mm以下の嚢胞では、二次検査の必要はないとされていますので、次回の甲状腺検査を受けていただくことで十分です。まれに液体成分が増加して嚢胞が大きくなる場合には、嚢胞の中の液体を抜く場合があります。甲状腺の部位が急に腫れてくるような場合には、医療機関を受診することをお勧めします」との説明がある。

第32回(2012年4月17日)
 ○甲状腺検査 A2判定結果の追加説明のお知らせ

 A2判定の追加説明について検討。結節・嚢胞のどちらかの説明が明記されていない者を通知しているので、結節・嚢胞のどちらか、あるいはいずれもが認められたかのかの追加通知を行うお知らせ。A2判定結果の説明は、前回案と異なり、結節・嚢胞を一緒にまとめた説明になる。甲状腺細胞診検査についての説明書の案も出されている。

第33回(2012年4月24日)
 ○甲状腺検査の結果についてのお知らせ(案)

 4段階判定。A2判定の結果通知方法について検討。判定のお知らせの中ではA2判定は「小さな結節や嚢胞がありますが、二次検査の必要はありません」と緯線と変わらず、結果通知文が、結節、嚢胞、両方が見つかっている場合についてそれぞれ分けて通知する案。いずれの案でも裏面にA2判定についての説明を記載し、第32回では簡単になった結節・嚢胞のそれぞれの説明と両方が見つかった場合の説明に分けられ、少し説明の量も増える。

第34回(2012年5月8日)
 ○甲状腺検査の結果についてのお知らせ(案)

 4段階判定で、お知らせ分の中でもA2判定には結節、嚢胞、両方が見つかったことの3種類があることの説明が加わる。別紙として、「甲状腺検査の結果についての説明」が加わり、A2判定についての説明が記載。

 ○甲状腺検査の結果についてのお知らせ(案)


開示請求 2013年3月19日付
開示決定 2013年5月7日付
決定者 福島県立医大理事長
決定内容 部分公開


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