リリース
2012年2月3日
2012年2月2日付で、添付の通り「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議、情報保全システムに関する有識者会議の議事録不存在に関する要望」を、内閣官房長官あてに送付しました（特定記録にて、2月3日に到達を確認済み）。
要望の背景は以下の通りです。
- 秘密保全法制を今国会にも提出するという政府方針があります。法制化に当たっては「秘密保全法制の在り方に関する有識者会議」の報告書が尊重されるものと考えられ、また、技術面からは「 情報保全システムに関する有識者会議」の報告書が実務面に強い影響を与えるものと考えられます。
- 両有識者会議については、会議に使用した資料も十分に公表されていなかったため、当会関係者が情報公開請求を行い、部分公開を受けてインターネット上で公開をしているところです。その検討経緯については、簡単な議事概要が公開されているに過ぎません。
- そこで、両有識者会議の検討経緯は今後の法制化、実行において非常に重要な意味を持つものと考え、議事録（議事内容を記録したもの）を情報公開請求したところ、「不存在」となりました。議事録を作成していないということです。
- 両報告書には、公表されている議事概要では、その経緯が不明な内容が見受けられ、何らかの議事内容は記録されていたものを考えられます。以上のことから、議事内容、経過がわかる事後検証に耐える記録を作成することを要望するものです。
- なお、議事録不存在に関しては、審査請求を行ったところです。
以上
※秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議情報保全システムに関する有識者会議の議事録不存在に関する要望
2012年2月2日
内閣官房長官 藤村 修 様
特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス
理事長 三木 由希子
秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議、
情報保全システムに関する有識者会議の議事録不存在に関する要望
当会は、市民の知る権利の擁護と確立を目指して活動する特定非営利活動法人です。
この通常国会に秘密保全法制を提出する方針であることが表明されています。当会は、市民の知る権利を擁護する立場から、この法制に関して重大な関心を持っています。
「政府における情報保全に関する検討委員会」のもとに設けられた、「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」と「情報保全システムに関する有識者会議」において、法制化や技術的な具体的検討が行われました。法制化については、2011年11月に行われた政府の意見募集で、「秘密保全のための法制化の在り方に関する有識者会議」の報告書が参考資料として提示されています。この報告書が、法制化の方向性を示す現時点での唯一の資料であり、この報告書の内容を尊重して政府において法律の立案がなされるものと思われます。また「情報保全システムに関する有識者会議」は、今後政府内で行われる法制化された内容を実施していくために必要な技術的な方向性を示したものと思われます。
そのため、この二つの有識者会議の検討過程は、立法趣旨を示すものであり、また、法制の解釈運用、実施に関して参酌されるべき内容であります。
しかし、政府のホームページには二つの有識者会議の簡単な議事概要しか公表されておらず、報告書の作成にあたってどのような取捨選択が政策的に、技術的に行われたのかなど、事後の検証に耐える内容になっていません。そのため、2011年11月17日付で「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議、情報保全システムに関する有識者会議の議事内容のわかるもの（ホームページで公表されている議事概要を除く）」を情報公開法に基づき開示請求をしたところ、2011年12月14日付で不存在の決定がなされました。
秘密保全法制や情報保全システムに関する検討において、一般に公にできない情報が議事過程で扱われる可能性は否定しませんが、それを理由に事後に検証可能な形の記録が残されないということは、あってはならないことです。このことは、公文書管理法の定める文書作成義務に違反し、不適法です。公にできない事項は、記録をしないのではなく、記録を作成した上で非公開の扱いとし、情報公開法に基づく開示請求ができるようにし、非公開の妥当性については権利救済の対象として政府のアカウンタビリティをまっとうすべきと考えます。
そこで、以下の事項を要望します。
記
- 公文書管理法の規定を踏まえ、秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議、情報保全システムに関する有識者会議の議事内容、経過がわかる事後検証に耐える記録を作成すること
以上
◆連絡先
特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス
〒160-0008 東京都新宿区三栄町16-4 芝本マンション403
TEL.03-5269-1846 FAX.03-5269-0944
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